こんにちは。
今日もブログにご訪問頂きありがとうございます。

この数日間、「かかりつけ薬剤師」関連のブログに専念して書いてきましたので、この話を疎かにしていました。
久しぶりにこのテーマに帰ってきましたのでよろしくお願いします。



解雇の定義

広い意味では、事業主がその意思によって労働者の雇用を解くことを指します。
同じような意味で「免職」という言葉がありますが、これは主に公務員もしくはこれに準じる立場の労働者に対して用いる言葉です。

また「雇い止め」を解雇と同様に用いる場合がありますが、これは全くの間違いです。「労働契約期間の満了を以て雇用を終了すること」がその意味です。
ただ色々と意見があるようで、雇止めを解雇の範疇であると主張する人もいます。今回は詳しく述べません。

また、解雇という言葉について、制裁処分の中でのみ適用されるものとお考えの方も多いと思いますが、そうではありません。

公務員に対する処分の一つとして「分限免職」というものがあります。
勤務成績不良や、心身の不調により、これ以上は正常な職務遂行ができないと判断された場合、免職になるというものです。
規程として存在はしていても、一般には適用できないものと考えられていましたが、橋下市長の時にこれを実施して話題になりました。

民間企業でも、分限免職に相当する解雇処分について就業規則に記載している企業は多いと思います。
これも実際に処分ができるかどうか、言い換えるとその処分が妥当と認められるかどうかは別にして規程と存在していることは確かだと思います。

例えばこんな感じです・・・
  • 業務能力が著しく劣り、または勤務成績が著しく不良の場合
  • 精神または心身の障害もしくは虚弱老衰、疾病等によって勤務に耐えられないと認めた場合
さて、これらの分限としての解雇は今回の話題の対象ではありません。
また整理解雇も本コラムの対象にはしていません。
あくまで制裁処分としての解雇について述べていきます。よって話を元に戻します。




制裁としての解雇を言い渡される場合

基本的な話として、制裁処分とはどのような場合に科せられるのかは、予め就業規則に記載されていなければなりません。
解雇に限らず、けん責も減給も出勤停止も同じです。

解雇については、勿論、職場によって詳細は異なりますが、例えば大体はこんな感じで規定されることが多いと思います。
  1. 故意または過失により業務上重大な失態があった場合。
  2. 正当な理由がなく就業を拒んだ場合。
  3. 無断欠勤が引き続き**日以上におよんだ場合。
  4. 懲戒に処せられたにもかかわらず懲戒に服する意思が認められない場合。
  5. 懲戒処分を受けた者が*年以内にさらに懲戒に該当する行為があった場合。
  6. 重要な経歴を偽り、または詐術を用いて雇用された場合。
  7. 許可なく他に就職しまたは自己の営業を行った場合。
  8. 職場内またはこれに準ずる場所で暴行、脅迫、傷害その他これに類する行為があった場合。
  9. 会社の秘密を漏らしまたは漏らそうとした場合。
  10. 他人の物を窃取しようとした場合。
  11. 業務に関し不正、不当に金品その他を授受した場合。
  12. 故意または重大な過失により、会社の施設、資材、製品、商品、機械器具その他の物品を破損し、滅失させたときもしくは重大な災害事故を発生させた場合。
  13. 会社の所有物を私用に供しまたは窃取した場合。
  14. 刑事事件に関し、有罪判決が確定した場合。
  15. 会社の信用、体面を傷つけるような行為(セクシャルハラスメントを含む。)があった場合。
  16. 飲酒または酒気帯び運転で検挙され、何らかの行政処分を受けた場合
  17. その他前各号に準ずる不都合な行為があった場合。
上記、ご覧のように「抽象的な」内容になっています。
そもそも解雇に限らず制裁処分とは社内処分であるとはいえ人が人を罰するものなので、慎重に慎重を重ねて行わなければなりません。

よって、上記の抽象的な内容であれば解釈がその都度変わる可能性もあります。
なので、それぞれに条文について具体的事例を設け、解釈の幅をできるだけ小さくする努力が求められます。
あるいは、「賞罰(懲罰)審査委員会」などを設置し、複数の社内の有識者で意見を交わして処分を決定するような方法もあります。

いずれにしても自社の就業規則を熟読して、どのような場合にどのような制裁処分が言い渡されるのかを知っておかなくてはなりません。


懲戒処分としての解雇の種類

再掲になりますが、懲戒解雇としての解雇は大きく「諭旨解雇」と「懲戒解雇」に区分されます。
さらに懲戒解雇も「解雇予告をする場合」と「しない場合」に分類されます。
なお、解雇予告とは、解雇をする場合、少なくともその30日以前に予告を行わなければならないことを指します。予告の代わりとして、30日分の賃金を前払いし即時解雇する方法もあります。

さらに労働基準監督署の許可を得ることができれば、解雇予告をせずに、また賃金前払いも無しに即時解雇することができます。

ややこしいので、以下に整理します。
 
解雇区分


上記の通り、諭旨解雇については、基本的意味は解雇ですが「退職願」の提出が認められ受理されますので、対外的には「自己都合退職」の扱いとなります。
 
なお、勧奨に従わず退職願を提出しない場合は懲戒解雇に切り替わります。反省していないという扱いになるわけです。

この「退職願を提出して自己都合扱いの退職」にしてもらう意味は大きいです。
 
私は、諭旨解雇処分を受けた人が自身に何らかの見覚えがあり、事実や処分の度合いについて特段争う意思がないのなら、「寛大なご処分に対し御礼申し上げます」というべきだと思っています。

繰り返しますが、自己都合退職の場合、対外的には自分の一身上の都合で辞めたと言えます。

諭旨解雇処分としての退職であったことは、企業の人事部だけが知っている事実です。
懲戒解雇はもちろん、いくら諭旨でも解雇されたという記録が残ったり、それが第三者に知られたりすることは誰もが嫌ですから。

よって、(あくまで制裁処分に見覚えがある場合は)雇用保険の取り扱いなどよりも再就職の事を考え、「自己都合退職としての手続きを進めてもらう」ことが正しい選択だと思います。


(つづく)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。 
Copyright 2016 Yahc-Create, Inc.  All Rights Reserved
本文及び図等資料の著作権は全て株式会社ヤーク・クリエイトが所有しています。